想いはちゃんと伝わる
会報「第44号 共に生きる」より(平成28年9月発行)

 私が担当しているRさん(女性48歳)は、自分の気持ちを言葉にして伝えることが苦手である。年末から年始にかけて、Rさんの妹が喘息で辛そうにしており、Rさんは非常に心配していた。新春のつどいが近づく頃、妹が元気になったと聞き、Rさんも安心していたが、2日前になって急にRさんの表情が暗くなった。話を聞くと、「妹は新春のつどい来る?」と不安な気持ちを教えてくれた。それ以降、何回も「新春のつどい気になる」と訴えてくる。私は不安でいっぱいになった。そこで副主任に話を聞いてもらうのはどうかとRさんに提案すると、「聞いてもらう」と答えたので、私も含めて3人で話し合うことになった。
 副主任がRさんに話をしている間、Rさんは副主任ではなく硬い表情で私の顔を見ていた。副主任は私に「Rさん、ほんまに私に話を聞いてほしいん?あなたのことずっと見てるけど、あなたに分かってほしいんじゃないの」と言った。私は副主任に、私1人では不安で相談したかった、Rさんが新春のつどいや妹のことで不安なことは分かるが、どうすれば少しでも安心できるのか分からない、などと話すうちに涙が出てきた。そんな私の様子を先ほどとは異なり不思議そうな目で見つめているRさん。副主任はRさんに微笑みかけ、「悲しくて泣いてるんじゃないねんで。Rさんのこといっぱい考えて、気持ちが溢れちゃったんや」と説明をしてくれた。私は副主任のその言葉にハッとした。Rさんが自分にとって本当に大切な人で、だからこそRさんのことで不安になったり涙が出るのだと気づいた。私はRさんに向き直り、Rさんの目をしっかりと見つめて「Rさんのこと大好きやねん!だけどどうすればいいか分からなくて不安になってしまってな、副主任に頼らしてもらいたかってん。でも私はRさんの気持ちを分かりたいし、力になりたいってほんまに思ってるねん!」と、心を込めて自分の本当の気持ちを伝えた。Rさんは真摯な面持ちでまっすぐに私の目を見つめ返した。そして私がRさんの両手を握ると、軽く握り返してくれた。そのような様子に私は「私の想いはちゃんとRさんに伝わっている」と心から実感した。Rさんと心を通わせることができたと、ここまで強く感じたのはこの時が初めてで、胸が震えて涙が止まらなかった。私が話し終えると、Rさんは笑顔を浮かべ、Rさんの悩みには触れていないにも関わらず、満足気に活動の場へと戻っていった。
※写真はイメージです。

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