思いを相手に伝えたい!〜Kさんとのコミュニケーション〜
会報「第36号 共に生きる」より(平成24年8月発行)

 言葉でのコミュニケーションが難しいKさん。伝えたい事はカードや写真を使いKさんの思いをくみとっている。私は働き始めたばかり。クラスは新しい職員が多く、誰に伝えればいいのかKさんは戸惑い、カードや写真も増え、感情や思いを抑えているよう。Kさんの伝えたい事がわからず、申し訳なさと悔しい気持ちで毎日活動していた。
 ある時、同じクラスのLさんが悩みを抱え悶々とした様子で通所してきた。私と話をしたいとLさんが言われ、二人で話をすることになった。Kさんに、「Lさんが困っているので話をしていいですか?」と聞いた。Kさんは私から目線をそらしながらも手を振ったので、Lさんと話をしに行った。
 話を終え戻ると、Kさんの表情は曇っていた。Kさんは写真やカードが入った鞄を持ち別室に行こうと私の手を引っ張り、『私が一番!』『がんばってる!』というカードと、Kさん一人が写っている写真を取り出した。私は「Kさんが一番だと思っていますよ」と伝えると、再度『私が一番!』『がんばってる!』というカードを指していた。「Kさんががんばっているとわかっているのに、Kさんに伝えられていないですね。思っているだけではわからないですよね」と伝えた。Kさんは何も答えず沈黙が続いた。
 すると、『怒っている』というカードを取り出して、ムッとした表情で私を見ていた。「Kさんが怒っているのは、がんばっているのに私が声を掛けなかったからですか?」と聞くとムッとした表情で黙って私を見るばかり。「Lさんと二人きりで話をしていたからですか?」と聞くと、さらにムッとした表情になった。「Kさんも色々と思っているのに、お話を聞けていないですね」と言うと大きくうなずいた。私はKさんに謝り、「怒っているなんて言いにくい事を、はっきり伝えてくれてありがとうございます。Kさんが伝えてくれたから、私も言わないと伝わらないという事に気づけました」と言うと、Kさんは私に顔を近づけ笑顔でまたうなずいた。
 Kさんは私に、思っていることは口に出して、相手に言わなければ伝わらないという事を改めて気づかせてくれた。これからは、私もKさんや周りの人に自分の気持ちを伝えながら活動していきたい。
※写真はイメージです。

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