親と園とで育てる子ども
(2023年9月・第546号「風の子だより」より)

 就学前の子どもの発達は、科学的に一つの法則性があると言われています。それは3才未満の乳児期は、お母さんとの関係が重要で、お母さんのおっぱいを飲む、排泄の世話をしてもらう、優しい言葉かけを受けるなど、母子一体化の関係の中で、少しずつ自我を形成させていきます。この自己中心性の成熟を通して、子どもは外界への関心が広がり、次第に社会性が芽生えていきます。

 それは3才頃に母子分離といわれる第一次反抗期の特徴です。これには父親が大切な役割を果たすことになります。こうした一般的な親子関係の中で、子どもが発達していくのですが、保育園に通う子どもたちの現実は随分と違った世界で育っています。両親とも共働きにて毎日就労していますので、日中の多くは、子どもは両親から離れて園で生活します。子どもが目を開いている多くの時間、お母さんやお父さんからの影響を殆ど受けません。

 したがって、保育園に通う子どもたちは、どうすれば良いのでしょうか。それは風の子保育園が以前から主張している「親と園とで育てる子ども」というスローガンにもとづく、保護者と園との関係を深めることです。子どもの成長の過程に対して、園の保育が両親と同じような影響力を持っているだけに、家庭と園側が積極的に理解し合い、協力し合って、同じ育児観をもって子育てすることが大切であろうと考えています。この関係にひずみがあったり、対立があったりすれば、すべて子どもに良くない影響を与えます。両者の関係がうまく行けば、それは子どもにとって好ましいプラスの効果を与えることになることでしょう。

 そのためには色々都合をつけて、子どもの事を話し合う機会を大切にすることが必要と言えましょう。

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