「丹波の家」「琵琶湖の家」はー自然生活体験施設
(2022年7月・第533号「風の子だより」より)

 私たちの法人では、丹波篠山に山の施設、琵琶湖比良に湖の施設を持っています。一般に、利用者が入所したり通所したりする施設の運営に対して、こうした自然体験施設を持っているところはほとんどありません。

 私たちの法人、すなわち水仙福祉会は、昭和31年に創立した風の子保育園を出発として、現在では障がい児、障がい者、高齢者等の施設を運営しています。この出発の昭和30年代、保育の仕事をしながら、子どもたちのために豊かな自然環境に接する場を作りたいという念願を持ちました。それは都会で生活する子どもたちが自然を知らないで大きくなることに強い不安を感じていたからです。以来、子どもたちのために山の家が欲しいという夢を実現するために、いろいろな努力をしてきました。

 その願いが実ったのが、山の施設「丹波の家」であり、湖の「比良風の家」であります。最近、保育園の保護者から、この法人ではなぜこのような施設を持っているのかという質問があったということですが、私たちの希望を、昭和30~40年代頃の保護者の皆さんが、よく理解されて応援してくださったことが忘れられません。

 例えば園児の遠足に、他の幼稚園や保育園では、企業が経営する遊園地に行く施設が多かったのですが、風の子保育園では自然のある山や川や森を選び遠足に行きました。当時の保護者会は全面的に賛同し、応援していただきました。一年保育児のキャンプも、自然豊かな場所を選び実施してきた歴史があります。

 戦後、高度成長により自然が失われ、心や感情が殺伐となった社会で成長していく子どもたちのために、少しでも自然に接する喜びをつくりあげたいという思いが、丹波や比良の自然生活施設を子どもたちのために準備したいという願いにつながったのです。

 今日では、法人内施設の利用者の皆さんに、年間を通してこの自然生活施設を活用していただいています。

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設置・運営主体
社会福祉法人 水仙福祉会