食文化について
(2020年6月・第508号「風の子だより」より)

 先日、NHKのBSテレビで、色々な国の外国人10人程が日本人の食生活文化について感想を述べていました。その中に日本人は食事の中味を毎日変えているのに驚いているということです。例えば毎日お昼ご飯を外食でもって食べている勤め人は、一週間毎日お店を変えて食べていること。家庭の夕食でも日本料理風、中華料理風、フランス料理風等々と、毎日おもむきが変わったものを作るか、出来合いを購入して食卓に並べるかします。

 テレビ局が日本人に聴きとり調査をすると、共通して「毎日、同じものを食べると飽きがくるから・・・」というのが一致した返事でした。テレビに出席した外国人は、誰もが自国では自国の料理を食べているし、大体いつも同じようなものを食べていると言っています。しかし日本の街では、世界中の料理が食べられる飲食店が一杯にあり、不思議であるということです。

 日本でも戦前、戦後の時代、貧しい時代ですが、子ども時代を過ごした私などは、当時の食事の内容は、「一汁一菜」という簡単なものでした。腹がふくれれば満足するというものでした。しかし、毎日違ったものを食べるという、食事の内容の広がりが出来たのは何時ごろのことでしょうか。前述のテレビ番組でも話題になっていましたが、毎日のテレビに食べることの番組が余りにも多いのではないかと意見が出ていました。確かに、そのように思います。テレビの影響なのかもしれません。

 コロナ問題で緊急事態宣言が出され、自粛生活が要請されました。それによって一番被害を受けた人は、数多くの飲食店の経営者の方たちであり、そこに勤める従業員の人たちでした。しかし、同時に一般の国民の人たちも、外で食べに行くことができなかったのが残念であったのではないかと思います。

 日本人の食文化について、一度考えてみる必要を感じさせられます。

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