夏の思い出
平成30年8月・第486号「風の子だより」より

 過日、毎日大雨が降り続き、各地に大変な水害が起こりましたが、その後は連日の高温の天気が続いています。空気は乾燥し、熱中症への警告が毎日強く言われています。夏は暑いものだということは分かっていますが、この数年は度を越えた暑さを感じさせられます。

 そもそも本来、日本の夏は1年の内で一番解放された気分で、生活を楽しむ期間でした。色々なお祭りは、大体夏に集中されています。京都の祇園祭りや大阪の天神祭りがそうですし、また各地の盆踊りや花火大会なども夏の楽しみです。

 昔の子どもたちは、近くの河に行って水遊びをしました。どの河も、現在のようにコンクリートの堤防が張り巡らされていませんので、河は浅く水遊びを楽しむことができました。8月が近づくと、朝早くから蝉しぐれの声を楽しみます。そして、虫籠のある長い竹竿を持って、蝉やトンボを捕え外に飛び出します。

 夏休みの小学生も、宿題は殆んどありませんでした。せいぜい、夏休み中に作る何か工作があった位です。子どもたちにとっては、本当に解放された毎日であったといえましょう。

 夕方になると、大抵夕立ちが降りました。2〜30分の短い降りが終わると、昼間の暑さがなくなり涼しい風が吹くようになります。夕立ちのない日には、打ち水をして涼を取ります。今のようにアスファルトの路ではなく、全て土の路でしたので長い時間しめりを保ちます。そして大人たちは床几(しょうぎ)を庭や戸口の道に出して、夕涼みをします。床几を囲んで地域の人同士が話し合い、これが毎日の繰り返しになります。夜が更けると、どの家も窓を開け放し、家族全員蚊屋の中に入り眠ります。

 子ども時代の夏の思い出は、以上のようでしたが、今日では随分と変わってしまいました。昼間は熱中症が恐いので、クーラーのある部屋に閉じこもります。河遊びは、禁止されていて、有料のプールを利用するしかありません。街中が開放的で、地域の人々と交流があったのに、今はみんながバラバラに生活しています。

 こうした寂しい時代だけに、園では恒例の夜店まつりを8月25日(土)に行いますので、大人も子どもも親しく交流して、夏の夕を過ごして欲しいと思っています。

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