学童期の「いじめ」
2017年4月・第471号「風の子だより」より

 新年度、風の子児童館子どもの家では、新しく小学校1年生になった13人の子を受け入れます。いずれも風の子保育園で5〜6年間も園児として保育され、この3月に卒園した子です。

 この子どもたちは、子どもの家事業の学童保育の対象として下校後や長期学校休校日に参加します。風の子では、この活動を1966年(昭和41年)に開設し、今年で51年目になります。

 さて、文部科学省では学校での緊急課題として「いじめ」の問題を取り上げ、その対策の強化を打ち出しています。それほど子ども関係での「いじめ」の問題が深刻化しているのです。児童館子どもの家では、保護者同志の話し合いを持っていますが、この「いじめ」についてもよく話題に上ります。大体女子の生徒が早いようで、小学3年頃になると発生しているようです。その内容は、無視をしたり、下足箱に置いてあった運動靴に異物を入れてあったりが報告されています。こうした行為は学校内で行われることで、児童館子どもの家では起りません。

 この要因を考えると学校は同年齢の競い合う競争社会がベースにあることです。成績の優劣や運動体力の違いが優越感や劣等感を作りあげ、友だち関係に隙間風を生み出します。学年が上がるにしたがい、学習塾や習い事が盛んになります。学校内も学校外も競争社会での生活が広がっていきます。昔の子と比較して、今の子どもたちは実に大変です。

 一方、児童館子どもの家の子どもたちは、小さい時から縦割保育の異年令集団の中で「思いやり」や「助け合う」関係を身につけて育ってきました。きょうだい関係のような共に育つという生活の中で自然に体に染みついたものは、大きくなっても、その子の人格として形成されている筈です。児童館子どもの家の子ども同志の関係に「いじめ」は絶対に発生しないと確信しています。「共に生きる」という優しさのある人間に育って欲しいと思います。 

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