新年あけまして おめでとうございます
2017年1月・第468号「風の子だより」より

 新年は、ご家族おそろいで、穏やかでゆっくりしたお正月を過ごされたことと存じます。子どもたちも、さぞ楽しい日々であったことでしょう。

 昨年一年の世相を漢字で表わす恒例の京都清水寺の文字は「金」でした。日頃から「金」と縁が遠い者にとっては、「へえー、そうやろか。」という思いです。

 さて、昨年は暗く忌まわしい出来事がありました。私たち社会福祉の仕事をしている者にとって、大変に腹立たしいことです。それは昨年7月に発生した神奈川県の障がい者施設「津久井やまゆり園」での多数の障がい者を殺傷した事件でした。その加害者は、施設の元職員であった者で、社会のために役に立たない障がい者は抹殺せねばならないという妄想を持った青年でした。これは、第二次世界大戦時のヒトラーが、ユダヤ人と共に障がいをもつ人に対しても大量の虐殺を行った優性思想にもとづく行為と同じです。

 あれから戦後72年を経過いたしますが、障がいをもつ人々の社会生活が著しく改善されたという状況にはありません。むしろ、生活文化が発達し、複雑になり、健常者すら生きにくい社会になっているだけに、障がいのある人たちは大変です。周りの暖かい支えが何より必要です。

 健常者にとって、障がい者は遠い存在のように思えますが、実際は誰しも高齢になり、認知症になったり、手足が不自由になったり、人の世話を借りないと生活ができなくなります。結局は、障がいは誰の身にも振りかかるものです。

 平成28年4月に「障害者差別解消法」という法律が施行されました。全ての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けることを目的にするためです。そういう社会になるよう努力していきたいと願っております。

 今年も、どうぞ良いお年でありますよう祈念申し上げます。

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