ことばの発達
2015年7月・第450号「風の子だより」より

 人間の子どもの「ことば」の発達ぐらい、不思議なものはありません。赤ちゃんの時に、「アー」とか、「ウー」とかの喃語を発していた子が、1才児になると一語文の単語が出始めます。1才後半には、二語文が出て、子どもの状況が分かるようになります。

 子どもが3才になると、具体的な物の名称ではなく、抽象的なことばを発するようになってきます。例えば「沢山」とか、「来て!」とか、「早く!」とか色々と矢継ぎ早に出てきます。

 親とか、周りの大人が丁寧に一つひとつ教えるから、「ことば」を覚えていったということは殆んどないといえます。いつの間にやら、覚え発するのです。

 2才後半から、3才になると、もう爆発的に「ことば」が増え、この子は何時どこで覚えたのだろうと、不思議な思いになります。

 子どもは聞いていないように見えるが、周りの大人の「ことば」を耳から入ってきたら、「ことば」の意味を考えて状況に合わせて記憶した「ことば」を発するという操作をしているのでしょう。とにかくすごいことです。ここが動物と基本的に違うところです。

 このように「ことば」の発達を例として考えると、子どもは色々と教えられたから覚えて伸びるのではなく、子ども自身が自ら獲得していくのだということが分かります。何とも偉大なことです。したがって、大切なことは子ども自身が獲得しようという「意欲」とか「エネルギー」をどうやって育てるのかということになります。

 結局、萎縮した元気のない子であってはいけないわけで、何ごとにも積極的な好奇心の強い子であれば、ぐんぐんと伸びていく子どもになると思います。

 叱ることが多くて、情緒不安な子にならないよう、ゆったりと、優しく、伸び伸びと育てていって欲しいと思います。

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