ことばの発達について
2013年12月・第431号「風の子だより」より

 人類が暦史的に色々な文化を築いてこれたのは、人間が言葉を獲得したからだと言われています。それは社会や人間生活上の様々な出来事を、言葉でもって一つの概念としてまとめて理解することができたからであります。

 このように言葉(言語)は、単なるコミュニケーションの道具としてだけでなく、人間の知能の発達の基礎となり、人類の文化を作り上げてきたわけです。

 ところが、この大事な言葉の獲得は、中々スムーズに思うようにいくものではありません。そもそも言葉は、赤ちゃん時代の泣声が土台になるものです。よく泣く子は、言葉を獲得するのが早いとも言われています。逆に、余り泣かない子も居ます。

 一才を過ぎると、「アー」とか「ウー」とか言う喃語が始まり、早い子は一才半位で、「オブー」とか「マンマ」とかの一語文が出てきます。また、「ブーブー」とか「カン、カン」とか言う色々な擬音語もしゃべるようになります。二才児くらいの子は、子どもによっては、言葉が増えて一杯にしゃべる子が居ます。その子らは、「お茶ちょうだい」というように二語文になり、説明文になりますので、本人の意志がよく分かるようになります。

 しかし、こうした筋書きどうりの発達をしない子どもたちも結構大勢居ます。二才近くになっても、はっきりした言葉が出ないので、どこか問題がないのか、不安になる保護者の方から相談を受けることがよくあります。

 発語は、聞きことばがしっかり深まって、話ことばに変っていくと言われています。子ども自身が、聞くことばの意味や状況をよく理解しているのに発語にならない場合は、殆んど心配はいりません。耳で聞いて理解できるという、知能の発達があり、必ず発語に結びついていきます。このようにことばの発達は、知能の発達と極めて強く関連しています。ただ、こうした発達は、子どもの生活する環境からの影響が大きいですので、子どもを一人あそびばかりさせたり、テレビまかせの生活が多いとことばの発達は遅れていく恐れが充分にあると思います。

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