保護者と共に歩む保育
2013年6月・第425号「風の子だより」より

 園では五十年も以前から、保護者会と相談して「園と親とで育てる子ども」をスローガンとする保育に取り組んできました。これは園だけでもできない、家庭だけでもできない、園と家庭が協力し合って、一緒に努力し合う中でできるというのが園児の育ちであると考えたからです。

 この一つの象徴した現われが、園児の寝具管理です。入園する時、親が寝具を持ち込まないで済む園は、風の子だけといえるでしょう。大抵は、子どもの寝具を工面して持ち込み、ふとん干のために週末は家に持ち帰っています。これは大変な負担になっているようです。そうでない園では、レンタルを利用し、多額の費用を必要としています。

 風の子では、保護者会全体で寝具を管理し、僅かな寝具管理代金を負担して共同管理しています。それこそ前記のスローガンを具体化した活動です。

 このように考えますと、園の活動の中でも年間の大きな行事というものも、これまでは園の責任において実施してきましたが、保護者と共に行っていくことがあってよいのではないかと思っています。

 例えば、一年児(ぞう組)のキャンプや螢狩りなどのお泊り保育は、園の限られた職員で実施することは大きな負担でありました。事故なく無事で終了したときは、心底から安堵することでした。こうした行事も、運動会やおもちつき行事などのように、保護者の方々の協力参加がいただけたらと願っています。

 元来、行事というものは、季節と共に合って、それは家庭で行われてきたものでした。節句、おひなまつり、こいのぼり、七夕、地域での盆おどりやお祭りへの参加、お月見、おもちつき、等々の季節の行事です。その他には、家族での海、山、河などへの自然とのふれ合い、遊園地への行楽など親子で楽しみました。でも、今は家庭で季節の行事を行ったり、家族で何処かに出かけるということが随分と減ってきているようです。

 その分、園が家庭に代って色々な行事を展開しています。子どもにとっては、その成長の過程において、季節の区切りを行事という形で楽しんだり、キャンプや遠足を通して自然とふれ合うことは大変大切なことであります。そうした取りくみに対して、必要な場面において保護者の方の参加協力が得られることは大変望ましいことであり、ぜひとも期待したいと思います。

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設置・運営主体
社会福祉法人 水仙福祉会