2011年連続発達講座・第3回「どんな行動にも意味がある〜ライフサイクルの視点から〜」
(平成23年年9月10日)

日時 : 連続講座1日目 2011年9月10日
午前9時30分〜午後4時30分(受付 午前9時10分)
会場 : 大阪府教育会館 たかつガーデン
(大阪市天王寺区東高津町7-11 пF06-6768-3911)
対象 : 保育士、幼稚園教諭、教師、福祉関係者、家族、
その他関心のある方
内容 :
事例 幼児期の実践
@「『障がい児だから』ではなく、ひとりの子どもとして」
A「集団になじみにくい『発達障がい』のある子どもへの支援」
講演 寺見陽子
「基本的信頼関係の意味〜発達心理学の視点から〜」
シンポジウム 松端克文・寺見陽子・岩崎隆彦
「障がい特性をどう見るか」
講演 松端克文
「あたりまえの生活を実現するために〜福祉的視点から〜」
参加費 : 【一般】1日につき2,500円、両日参加の場合4,500円
【学生】1日につき1,000円、両日参加の場合2,000円
問合せ : アイ・サポート研究所
〒533-0004 大阪市東淀川区小松1-13-3 水仙福祉会内
<TEL>06-6327-7675 <FAX>06-6327-7676 <E-mail>i_support@suisen.or.jp

報告 写真 ⇒参加者の声
 第2回連続発達講座が9月10日、17日の2週にわたって開催されました。保育士、福祉関係者、幼稚園教諭、教師、保護者、学生など、法人職員を含めて、両日とも約200人、延べ計400人の方々に参加していただきました。

 今回は、各講座に於いて、それぞれ2事例の発表がありました(@通園施設と保育所の連携した障がい児保育の実践、A通園施設と保育所を通して個別支援から集団参加に繋がった実践、B通園施設から保育所、学童保育まで連携して支援した実践、C成人期の人の自己決定支援の事例)。4人の講師の先生方(1日目の10日は寺見陽子・神戸松陰女子学院大学教授、松端克文・桃山学院大学准教授(現教授)、2日目の17日は赤塚光子・元立教大学教授、鯨岡峻・中京大学教授、松端克文・同)には、各専門の立場から、事例発表を受けて支援方法の整理と本人の気持ちを読み解き、また、関係発達の視点、発達心理学の知見から、能力促進に偏らず、心に焦点を当てることの重要性、「いかにして信頼関係を築くが要」という基本理念の再確認に繋がる貴重なお話をしていただきました。

 また、法人の岩崎隆彦・姫島こども園園長からは、行動のコントロールに焦点化した『行動対応』と、関係性と心に焦点を当てた『意味了解』のアプローチの違いが分かりやすく提示されました。このことは、幼児期から学齢期、成人期を含めて、障がいの種類や程度に関係なく、「行動には意味がある」という視点に立ち、一貫して、「地域で暮らす」生活を支援してきた当法人の実績を検証し、今後目指すべき支援の方向を確認する良い機会になりました

 特に昨今の「発達障がい」に対する様々な見解の相違は、支援者の支援活動並びに利用者に大きな混乱を与えています。外から行動をコントロールしようとする方法は、それを享受する側の障がいのある人たちは、与えられる支援に対して受け身になるしかなく、ここに支援者が常に真摯に、本人の側に立った支援をめざす意味があります。限りなく「本人主体を目指す支援」を求め続けていくことが必要です。
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写真

開会のあいさつをする松村理事長
(1日目・9月10日)


淡路こども園の発表
(1日目・9月10日)


寺見・神戸松陰女子学院大学教授による講演
(1日目・9月10日)

風の子保育園の発表
(1日目・9月10日)


パワーポイントでわかりやすく
(1日目・9月10日)


シンポジストとして登壇の松端・桃山学院大学
准教授(現教授)(1日目・9月10日)


シンポジストとして登壇の岩崎・姫島こども園園長
(1日目・9月10日)
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参加者の声
 参加された皆様からの多くのご意見・ご感想をいただきましたが、一部を抜粋して紹介します。

◆1日目(9月10日)
保育士さんから
子どものことをこんなに思ったり、丁寧に対応したり、一人ひとりにできているだろうか…と、自分の保育を振り返る良い機会になりました。本人の気持ちを理解して共感していくこと、信頼関係を築く事の大切さがわかりました。
保育でのTちゃんに対する丁寧なかかわりとお母さんへの支援とお母さんの心の動き(Tちゃんへの見方の変化)がとてもよく分かり、勉強になりました。

施設職員さんから
表面の問題行動を止めるだけではなくて、その行動をおこさせている原因に目を向けるという点は非常に大きな発見だった。
自閉症の特性だけを見るのではなく、行動の理由やその人本来の姿(思い)を重視することの大切さに改めて気づきました。

親御さんから
入園から就学までの子どもの成長、母親の考え方の変化などがとても分かりやすかったです。障がい児・健常児と区別するのではなく、障がいがあっても1人の“人”として考えるということを改めて気づきました。
いろいろな苦しかった思いを利用者の方が様々な方法で表現していて、それを見逃さずに思いを受け止めていくのが大切と感じた。本人が全体的に生活や取り組みを決めていくことの大切さが分かった。

シンポジウムから
こだわり行動を否定せず、なぜこだわるのかを理解すること、そして時間と労力をかけて根気強く支援することが大事なことが分かりました。
(一方的に)社会に適応させるような型にはめた支援は、利用者にとって幸せではないと気づけて良かったです。

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